信頼性評価試験
具体的信頼性試験例
はんだ実装における評価技術
1.はんだ実装における要素技術
図1に示す各種はんだ技術において、要素技術として図2に示す項目があります。
これらの技術を評価する方法として、次に示す評価法があります。

図1 各種はんだ技術

図2 はんだ実装における要素技術
2.はんだ実装における各種評価技術
| 試験分類 | 試験項目 | 評価内容 | 備考 |
| はんだ濡れ性試験 | (1)濡れ面積率測定 (2)接触角法 (3)はんだ拡がり率 (4)ウェッティングバランス法 |
はんだ付け条件、フラックス、基材表面処理等の影響を定量(相対)評価 | 装置: はんだ付け性測定装置他 |
| 接合強度試験 | (1)180o剥離試験 (2)QFPリード45oプル試験 (3)チック剪断強度試験 (4)チッププル試験 (5)振動・衝撃試験 |
接合強度の定量的評価および機械的振動・衝撃による強度変化の定量化 | 装置: ボンドテスター 小型引張試験機 振動・衝撃試験機 |
| 接合部解析 | (1)ボイド、クラック発生 (2)組織観察 (3)金属間化合物層評価 |
SEM等によるミクロ観察およびその他物理解析手法による接合界面の状態調査 | 装置: SEM EPMA EBSP等 |
| 信頼性試験 | (1)高温放置試験 (2)温度サイクル試験 (3)低温放置試験 (4)恒温恒湿放置試験 (5)マイグレーション試験 |
加速劣化試験における接合強度の経時変化評価および、はんだ組織、接合界面の経時的変化を評価。また、それらの相関を解析 | 装置: 各種環境試験機 ボンドテスター データ集録装置 SEM他 |
3.評価例(はんだ接合部の不具合解析例)
- (1)コネクター挿入部品
コネクター挿入部品の欠陥として図3に示すようなリフトオフやひけすが観察されています。
また温度サイクル試験ではクラックの成長が観察されています。これらの欠陥の原因は熱収縮や凝固収縮が考えられます
(図4)。

図3 コネクター挿入部品で観察された欠陥

図4 欠陥発生のメカニズム
- (2)Pb混入基板のリフトオフ解析
図5および図6はPbが混入したはんだを使用したためにリフトオフが生じた解析例を示します。図からわかるようにCuとはんだの界面に低融点のPb含有析出物が生成し、このPb含有析出物が脆いためリフトオフが生じたと考えられます。

界面のSEM像

- (3)接合界面金属間化合物と組織観察
接合界面には高温放置試験により金属間化合物層の増大が観察されます(図7)。

図7 高温放置試験で増大した界面の金属間化合物
- はんだ自身も恒温放置試験で組織の粗大化が観察されます(図8)。

図8 Sn-Ag-Cu系はんだの恒温放置試験における組織変化
- (4)表面実装部品におけるはんだ濡れ性低下
Pbフリーはんだでは、Sn-Pb系はんだに比べて濡れ性が低下するために不具合が生じることがあります。主な原因として①部品のめっき表面処理不良、
②ランドの表面処理不良、
③リフロープロファイルの最適化不足、
④フローはんだ槽内の不純物、などが考えられます。
図9に不具合の例を示します。

図9 はんだ濡れ性不良の例
- (5)BGA実装における不具合事例
BGA実装において、リフロー後の残留応力低減や界面化合物の制御が最適化が不十分であると、図10に示すような不具合が生じることがあります。

図10 BGAで見られる各種不具合
- (6)再溶融問題
図11は、リフローはんだ工程後、フローはんだ工程を適用された際にリフローはんだ工程で接合されたQFPがフローはんだ工程で再溶融剥離が生じた例です。QFPのリードにSn-Pbめっきが施されたものを使用すると、リフロー工程ではんだ層とランドの界面にPbを含有する低融点の化合物層が形成されます。この部分がフローはんだ工程の熱で溶融し、剥離の原因となります。


図11 再溶融剥離したQFPの外観、断面写真および剥離面
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